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2023/01/13

【エンジニアの働き方】SESとは?派遣との違いやメリット・デメリットも紹介

SESエンジニアとして働く女性
「SESってどんな働き方?」
「これからIT業界で働きたいと思っているけど、SESはなんか嫌だ…」
「SESエンジニアで働くメリットって?」

こんにちは。『FreeLans』編集部ムラセです。
現在IT業界で働いている方、また、これからIT業界での就職を考えている方なら、一度は【SES】という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ネットで検索すると【SESはやめとけ】というネガティブワードをよく目にすることもあってか、求職者の中にもSES企業を毛嫌いする方も多いように感じます。
しかし、そもそもSESってどんな働き方なのか…実際よくわかっていない方も多いと思います。

そこで今回は、SESについて詳しくご紹介したいと思います!

1.自社開発・受託開発・SESの違い

まず最初に、IT業界の企業にはどんなものがあるか見ていきましょう。 IT業界の企業を大きく分けると 1)自社開発企業 、2)受託開発企業、3)SES企業 の3つに分類されます。

1)自社開発企業

Webサービスやサイト、アプリケーション、ソフトウェア、ゲームなど、自社のサービスを開発・運営している企業のことです。 業務システムなど法人(BtoB)向けの開発している企業も自社開発にあたります。

2)受託開発企業

クライアントから案件を受注し、システムやアプリケーションを開発する企業のことです。 クライアントの希望に沿ったシステムやアプリケーションなどを請け負い作成し、納品します。 契約形態は【請負契約】にあたり、顧客から依頼されたシステムを開発し、納品物の対価を得ます。

3)SES企業

SESとは「System Engineering Service」の略称で、ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、受託を受けた業務に対して技術者の労働を提供する仕組みのことを言います。 クライアント企業にエンジニアを派遣し(客先常駐)、サービスを提供します。
契約形態は【準委任契約】にあたり、顧客のシステムの開発・保守・運用のために技術者の労働を提供し、労働に対する対価を得ます。 自社開発や受託開発を行う企業に就職するには、すでにそれ相応のスキルを持った即戦力となる人でないと難しく、実際にIT業界で働く正社員の割合は、自社開発・受託開発の企業の正社員はごく一部で、SES企業の正社員が圧倒的に多いです。
企業の割合もSES企業が最も多いのが現状です。

2.SESと派遣の違い

SESは客先のオフィスにエンジニアを派遣することから、 SES=客先常駐=派遣 と思っている方も多いように思います。実際にその構造は派遣とよく似ています。
しかしこの二つには明らかな違いがあります。 それは「だれの指示で仕事をするか」です。
違いを詳しく見ていきましょう。
SESと派遣の働き方
派遣エンジニアは、派遣先企業の指揮命令で仕事を行うのに対し、SESエンジニアは、あくまでも派遣元であるSES企業の指揮命令で仕事を行います。 SESエンジニアに対し、派遣先企業が直接指揮命令を行うことは、違反行為とみなされます。

なぜ指揮命令権が異なるかというと、その違いは契約にあり、SESエンジニアが雇用契約・労働契約ともに派遣元であるSES企業と結ぶのに対し、派遣エンジニアは、雇用契約は派遣元である派遣企業と結び、労働契約はクライアント企業と結びます。 つまり、派遣エンジニアは雇用主が派遣企業で、使用者はクライアント企業となります。

SES企業はSES契約(準委任契約)をクライアント企業と結んでおり、SESエンジニアとクライアント企業との間には直接の繋がりがないことから、指揮命令ができない関係であることが分かるかと思います。

SESについて理解を深めたところで、気になるのは 「実際にSESで働くってどうなの?」 というところですよね…。

ネットでは【SESはやめとけ】という記事を目にすることもあり、SESに対して不安なイメージを持たれている方も多いと思います。 SESとして働くメリット・デメリットを見ていきましょう!

3.SESエンジニアのメリット

▼人脈が広がる

SESエンジニアは、クライアント先でSIer企業や他のSES企業の方にも接する機会が多く、様々な人脈を作ることができると言われています。 クライアント企業や他のSES企業からスキルが認められれば、キャリアアップについて相談に乗ってもらえることもあるようです。

▼様々な業務に携わることができる

案件ごとに客先が変わり、様々な業務に携わることができるため、幅広いスキルや経験を積むことができます。 大手企業で大きなプロジェクトに携わるチャンスもあり、実績を積むことにもつながります。

作業するSESエンジニア

▼未経験でも就職しやすい

IT業界は成長業界であり、慢性的な人手不足でもあるため、未経験者でも積極的に採用を行っている企業は多くみられます。 これからITエンジニアとしてのキャリアをスタートさせたいという方にとって、働きやすい環境と言えます。

4.SESエンジニアのデメリット

▼収入が低くなりがち

自社開発や委託開発を行っている企業のITエンジニアと比べると、収入が低い傾向があります。 クライアント企業の社員と同じ内容の仕事をしていても、収入が低い…ということでモチベーションが下がってしまう人も多いようです。

▼プロジェクトによって環境が大きく変化する

SES企業に所属するエンジニアは、自社で働くことはほぼありません。 客先常駐が主となるので、案件ごとに客先が変わり、環境の変化がストレスとなることもあるでしょう。

▼指揮命令権があいまいになりがち

先ほど「2.SESと派遣の違い」で説明したように、SESエンジニアは、あくまでも派遣元であるSES企業の指揮命令で仕事を行います。 ですので、業務を行う上でクライアントから直接指示を受けることは偽装請負とみなされ、違反行為となる可能性があります。 しかし、現場ではこの指揮命令権があいまいになりがちで、客先常駐している立場として戸惑ってしまうこともあるかもしれません。

5.フリーランスエンジニアという働き方

SES企業の正社員の他に、フリーランスエンジニアという働き方もあります。 クライアント企業と準委託契約を結び客先常駐で働く場合、働き方はSES企業のエンジニアとほぼ同じです。 フリーランスエンジニアになることで変わることというと、会社所属でなくなることくらいです。 フリーランスエンジニアになるメリットは、

▼案件を選ぶことができる

SES正社員だと配属先や案件を自由に選ぶことができませんが、フリーランスエンジニアであれば自分の得意な分野の仕事を選択して受けることもでき、得意を活かして働くこともできます。

▼会社に縛られない

案件次第では在宅が可能なものもあったり、自由に働くことができます。 案件が終わった後、すぐ次の案件を受注せず旅行に行く…など、自分のペースでスケジュールを組み、仕事をすることも可能になります。

空を飛ぶ飛行機

▼収入が増加する

直接クライアント企業と契約をする、または、フリーランスエージェントを利用して案件を受注することで、会社員の場合より受け取る報酬が増えます。また、経費で計上できるものがあり、節税対策することで、収入が増える可能性もあります。

フリーランスエンジニアになれば、
―自分の希望の案件を受注し、得意を活かして働くことができる!
―会社に縛られることなく、自由な働き方ができる!
―収入もアップして、モチベーションも上がる!

フリーランスエンジニアならSESエンジニアのデメリットも解消できるし、こんないいことばかりだったら、今すぐフリーランスエンジニアになった方がいいのでは!?と思うかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか…?

残念ながら現実はそんなに甘くありません…。フリーランスエンジニアとしてやっていくには、スキルや実績が必要です。 実績がないと、案件の受注でつまずくことになります。 案件が受注できないと、生活が不安定になります。 エンジニアとしてより良い働き方をしたいと思ってフリーランスになったのに、これでは負のスパイラルに陥ってしまいます。

フリーランスエンジニアには、自分の武器となるスキルを身につけ、実績を十分に積んでからなった方が、うまく行くのではないでしょうか。

6.結局のところ、SESはおすすめできる?

これまで説明したように、SESエンジニアという働き方にもメリットやデメリットがあります。 いいことばかりではないですし、もちろん悪いことばかりでもありません。

もしあなたが、今SESエンジニアとして働いていて、「フリーランスになってもっと自由な働き方がしたい…」「SES企業じゃなくて自社開発・受託開発の企業で働きたい…」と思っているなら、仕事に選り好みをせず、貪欲に経験を積むことでスキルを磨き、そして何より、実績を積むことです!

また、もしあなたが今IT業界への転職を考えていて、「これからエンジニアとしてのキャリアをスタートさせたい…」 と思っているなら、まずはその第一歩が踏み出せないと始まりません。 SES企業にはネガティブなイメージも多いですが、未経験でも受け入れてくれ、ITエンジニアとしての実績も積むことができると考えると、とてもありがたい企業です。 実績を積むことで初めて、その先のキャリアアップも可能になります。

ステップアップのイメージを眺めるSESエンジニア

そういった意味でも、IT業界での経験が浅いエンジニアにとって、SES企業で働くことは選択肢に入れることをおすすめできると思います。 ぜひお仕事を探す際の参考にしてみてください!

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